コンセプト


一、 これまでのことを考えた、これからの服。

平安時代から、一二〇〇年もの時を越えて、受け継がれてきた日本の「きもの」。


そこには、目を見張る色彩や文様、質の高い素材感、生地を大切にする様式など、
伝統に裏打ちされた確かな価値が宿っています。


しかし、一世紀程前からの急激なライフスタイルの変化などにより、日本の「きもの」は、
日常、言わば(ケ)の衣服としての役割を担うことが難しくなり、多くの人々は、
そこに秘められた価値を、和ダンスや押入れに仕舞いこんだまま、現在に至っています。


そこで私達Wrap Around R.(ラップ アラウンド ローブ)は、
「きもの」の持っている価値や様式を尊重しつつ、
現代のライフスタイルに合ったフォルムに再生する服づくりを行っています。


Wrap Around R.の作品を通して、これからの日本の「きもの」の、
懐かしく新しい潮流を、少しでも多くの人々に体感して頂ければと考えています。








二、 生地を大切に使い切る合理性。

日本の「きもの」と言えば、その色彩美や文様に注目することが多いですが、
Wrap Around R.(ラップ アラウンド ローブ)は、生地を大切に使い切る合理性に着目しています。


「きもの」をほどくと下図のように、概ね1尺1寸(33.3cm)を基本寸法幅とした長方形の生地になります。


かつて生地は大変貴重なものでしたので、ハサミをほとんど入れていないこの形状により、洗濯時などのほどきと縫製を簡略化出来ると共に、部分的に傷んでしまった生地は、その部分のみ付け替え、衣服として使えなくなった生地は、布団や雑巾などへと、可能な限り再利用しやすく出来ています。








三、 「きもの」の合理性を意識した服づくり。
Wrap Around R.(ラップ アラウンド ローブ)による、日本の「きもの」の合理性を継承した服づくりの特徴は、大きく3つ挙げられます。


[1]

和ダンスや押入れに仕舞われた「きもの」を資産として捉え直し、それらを活用するため、丁寧に洗濯し、ほどきます。



[2]

シミやホツレ、虫食いのある部分を避けて裁断します。その際ロスが発生しにくく、再び1枚の布に戻しやすい長方形の平面裁断を意識したパターン(上図参照)を用いています。これにより、代々受け継いできた大切な「きもの」を、再び次世代の衣服の素材として活用できるよう工夫しています。



[3]

平面裁断でありながら、立体的で豊かなフォルムを生み出すため、折り紙のように布を折りたたむデザインや、重ね着しやすい身につけ方が可能なフォルムを意識しています。









About the owner

松下 純子

Wrap Around R.のデザイナー。 1974年、横浜生まれ、神戸育ち。 文学部を卒業後、アパレル会社勤務。 2005年にWrap Around R.(ラップアラウンドローブ)を立ち上げ、「着物の反物の幅を生かして、今の暮らしに合った服作り」をコンセプトに製作する。 現在、築80年になる町家を再生したギャラリー兼ショップ、Rojiroomをアトリエとしている。

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